Research

研究分野と手法

 当研究室は食料経済と資源経済の2つの研究チームから構成されています。所属する大学院生は自らの問題意識・研究上の関心に応じて、どちらかのチームを中心に研究活動を進めています。食料経済チーム(通称:フード系)はフードシステムに関連した問題、資源経済チーム(通称:資源系)は土地・水をはじめとする資源・環境に関連した問題を研究しています。いずれも制度、組織、政策の評価分析に焦点を当てた研究が多くなっています。具体的にはこれまで研究室メンバーが関係してきた以下の[これまで行ってきた主な研究課題]やPublicationsのページを参照してください。

 農業・食料を経済システムとしてみた場合に、食料はそのシステムの川下セクター、資源は川上セクターに注目した研究分野となります。言うまでもなくどちらのセクターでも農業は切り離して議論することはできませんので、両者とも農業は研究対象としています。研究室の院生はもちろんそれぞれの専門に集中して研究を進めていますが、常にチームを越えた活発な議論、情報交換を行っていて、農業・食料・農村問題を幅広く理解する機会を得ています。このような川上・川下からの研究を統合することは、現代の農業を深く理解する上で、そして特に政策を評価・デザインする上で極めて有効です。実証分析にあたってはまず現場で起こっていることをベースに考えていくという研究室の方針から、どちらのチームでも院生はフィールド調査を行うことが多いのですが、ただし理論・実態・統計のバランスがとれた研究を進めるよう心掛けてもらっています。

 ミクロ経済理論をベースに、計量経済学の手法を用いた実証研究を行います。個人データとして取得するマイクロレベルのデータを用いることが多いため、それに合ったミクロ計量経済学の手法を用いることが多いです。また、近年では地理情報システム(GIS)を用いて、空間計量経済学的な研究も行っています。

これまで行ってきた主な研究課題

これまで当研究室では、以下のような研究課題に取り組んできました。
・新しい食料・農業・農村政策のデザイン
・食品安全制度の経済分析
・酪農部門におけるコントラクター活動に関する研究
・農産物流通とトレーサビリティの役割
・砂糖のフードシステムと地域経済
・水利システムのサービス科学研究
・農業用水システムの国民的利用・維持管理の変遷と制度的課題
・中国雲南省棚田地帯の地理情報システム(GIS)を利用した空間経済分析
・食の信頼回復のためのフード・コミュニケーション・プロジェクトの経済評価
・産直と直売に関するオルタナティブフードシステム研究